今回は、この時期気になるインフルエンザに関するニュースです。なんとなく、朝一で病院に行くという人は多いかもしれませんが、「インフルエンザワクチンは、朝接種(せっしゅ)したほうが効果的(こうかてき)」ということが実験で証明(しょうめい)されたと言いますから注目です。
日本語と英語で、よんでみよう!
日本の習慣を英語で紹介(しょうかい)!みんなで日本語の記事が読める「にほんごサンデー」。
今回は、インフルエンザワクチンについて、留学生のみなさんに、英語でどう説明すればわかりやすいかチャレンジしてみたよ!
インフルエンザワクチンは朝接種(せっしゅ)すると4倍(ばい)の効果(こうか)がある――バーミンガム大学の科学者(かがくしゃ)たちがこんな事実(じじつ)を発見したそうだよ。
The flu vaccine is four times more effective if administered in the morning, scientists at the University of Birmingham have discovered.
実験ではインフルエンザに対して特に抵抗力(ていこうりょく)の弱い(よわい)65歳以上の人のうち、健康(けんこう)な276人の被験者(ひけんしゃ)が2011年~2013年のインフルエンザが流行する前にインフルエンザの予防接種(よぼうせっしゅ)を受けた経過を観察したんだって。
Researchers conducted a trial of 276 healthy people, aged over 65, particularly vulnerable to influenza, getting the flu jab before the 2011, 2012 and 2013 flu seasons.
午前9時から11時の間にワクチンを打った対象者(たいしょうしゃ)は、3時~5時の間に接種(せっしゅ)した人より抗体(こうたい)が4倍(ばい)も増加したそうだね。
Giving patients a vaccination between the hours of 9am and 11am boosted antibodies to four times the levels of those patients who had shots between 3pm and 5pm.
研究に携わった(たずさわった)教授(きょうじゅ)は「私達の発見によって、ワクチン接種(せっしゅ)時間を朝に移す(うつす)だけで、追加費用をかけずに医療(いりょう)サービスの効果(こうか)を高めることができると示すことができる」と語っているそうだよ。
A professor said, “Our results suggest that by shifting the time of those vaccinations to the morning we can improve their efficiency with no extra cost to the health service.”
もっとくわしく!
上の会話では、海外の実験結果を紹介しましたが、日本でもこの分野の研究が進んでいます。
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの研究グループは、交感神経と免疫活動の仕組みの研究を通じて、ワクチンの効果を高めるには、午前中の接種が良いという結論を導き出しました。この研究成果は、米科学誌The Journal of Experimental Medicine(JEM)電子版に掲載されました。
研究チームは夜行性のマウスの活動が高まり、交感神経が活発になる午前1時に、マウス数匹にワクチンを接種。午後1時に接種したマウスに比べ、抗体が4倍あまり増えたことを発見しました。マウスのような夜行性の動物では夜間ですが、人間の場合は昼間にピークに達します。鈴木一博特任准教授は「交感神経が最も高まるのは午前中。ワクチンを午前中に接種すれば、より高い効果が得られるのではないか」と分析しています。
予防接種はもちろん、1日の生活リズムを整えてストレスと免疫力をコントロールし、インフルエンザの予防をすることが大切。今シーズンは「体内時計」に意識を向けてみてはいかがでしょうか。