日本には「クールビズ(COOLBIZ)」という和製英語(わせいえいご)があります。クールビズとは英語の”Cool(クール)”とビジネスを略した(りゃくした)造語(ぞうご)”Biz(ビズ)”をから成る(なる)造語です。夏は軽装(けいそう)が当たり前になってきて、制服(せいふく)のある職場(しょくば)では、半袖への衣替え(ころもがえ)も早くなっています。今回はそんな「衣替え」事情について会話してみましょう。
英語と日本語で、よんでみよう!
日本の習慣を英語で紹介(しょうかい)!みんなで日本語の記事が読める「にほんごサンデー」。
今回は、クールビズについて、留学生のみなさんに、英語でどう説明すればわかりやすいかチャレンジしてみたよ!
日本では職場の衣替えを全員一斉(いっせい)にするよね。自分の体調(たいちょう)や気候に合わせて着るものを選べなくて困らないの?
In workplaces in Japan, everyone has seasonal change of clothing at the same time. They can’t choose clothes depending on physical condition or climate. Is it inconvenient?
JR東海(とうかい)では、ジャケット着用(ちゃくよう)を義務付けられていた運転士(うんてんし)と車掌(しゃしょう)が、熱中症(ねっちゅうしょう)で病院に運ばれてしまった。それで、半袖着用が通常より早く認められたんだって。
In JR Tokai, a pair of motorman and conductor, who are obliged to wear jackets, had been taken to hospital for heatstroke. Then, half sleeves are accepted earlier than usual.
佐川急便(さがわきゅうびん)では2009年以来、7月から9月まで配達員の夏の制服がハーフパンツになっているよ。外で働く人にもクールビズが必要ってことだよね。
In Sagawa Express, since 2009, summer clothes from July to September for deliverers have been changed to half pants. You know, cool biz for outside workers is necessary.
日南市(にちなんし)、指宿市(いぶすきし)のような九州(きゅうしゅう)の都市はもっとユニーク。観光地でアロハシャツを夏の制服にしていて、市役所(しやくしょ)の人までアロハシャツで仕事をするんだよ。
In Nichinan city and Ibusuki city – Kyushu province, their summer style is more unique. In sightseeing places, even city hall, employees wear aloha shirts as a uniform at work.
もっとくわしく!
日本気象協会がtenki.jpのユーザーに実施した調査によると、クールビズの認知度は98.3%と、ほぼ全員が知っているにも関わらず、実施したことがある人の割合は61.5%にとどまりました。
会社が一斉に導入を決めないとクールビズをやりづらいのが日本の職場環境。そんな中、制服のクールビズを図っている事例を今回の会話の中で紹介しました。
制服のない職場での取り組みはどうでしょうか。会社ごとに規定が決められていることが多いですが、夏服はノーネクタイ、ノージャケットとするのが主流のようです。また、服装だけでなく、エアコンの設定温度や勤務時間の朝型シフト、ノー残業など、複数の施策を組み合わせてクールビズを実践する会社が増えています。
クールビズを始めた会社では、節電効果はもちろん、季節感を感じられるようになったことなどもメリットに挙げられています。一方で取引先へ行くときや来客の際はビジネスマナーが優先されるという声が多数を占め、クールビズをだらしがない格好と混同されては困るという意見も。衣替え後の衣服選びには、冬服以上に気を遣う必要がありそうです。