この冬、ニュースの天気予報(てんきよほう)で冬将軍(ふゆしょうぐん)という言葉をよく聞きますね。冬将軍の意味をどれだけ知っていますか?この話題について話してみましょう。
日本語と英語で、よんでみよう!
先週の関東地方は20度くらいあって本当にあたたかかったのに、今週は急に10度も下がって初雪だ!
It was really warm last week, with temperatures around 20 degrees Celsius in Kanto region. But suddenly it has gone down 10 degrees, and the first snow of this year has already fallen!
ここ数年で最大の寒波(かんぱ)の到来(とうらい)だね。日本では、これを「冬将軍(ふゆしょうぐん)」と呼んでいるよ。
The biggest blizzard in the past several years has arrived. We call it “Fuyu-shogun” in Japan, which means “General Winter.”
若者にたとえることもあるね。「北風小僧(きたかぜこぞう)」と。日本では童謡(どうよう)にもなっているよね。
The blizzard is often compared to a young man. It’s “Kitakaze-kozo,” which means “Jack Frost.” In Japan, we have a nursery song about him.
冬将軍って、シベリアから押し寄せてくる寒気団(かんきだん)なんだってね。昔、フランスの皇帝(こうてい)ナポレオンも、冬将軍のせいでロシアに攻め込む(せめこむ)ことができなかったそうだよ。
In fact, Fuyu-shogun is cold air mass from Siberia to Japan. Long ago, Napoleon, a French military general, gave up to invade Russia because of the existence of General Winter.
もっとくわしく!
ロシアの強力な寒気には、どんな軍隊もかなわない――。
そのたとえとして、冬将軍という言葉が生まれたのは19世紀のことでした。
かつて、ナポレオンがロシアに攻め込もうとしましたが、冬になるにつれ防寒具などの装備が間に合わなくなり、戦闘では負けていないのに撤退を余儀なくされてしまいました。
これを、イギリスの新聞がGeneral Frost(霜の将軍)と報道しました。これを日本語に訳すときに「冬将軍」としたのが始まりです。
冬将軍は、第二次世界大戦でも勝敗を分ける活躍をしました。ヒトラー率いるドイツ軍がソビエトを攻撃したときも、冬装備が間に合わないほどの急激な寒さによって、ドイツ軍は撤退を余儀なくされました。
ロシアの極東やシベリアの各地では、冬はマイナス20度、場所によってはマイナス65度まで下がることも。
このような気候を生かして、冬まで戦闘を長期化させて相手の補給を断つ。
兵力を失うことなく勝利してきたロシアにとって、冬将軍はまさに頼もしい戦力だったのです。