2008年に創設(そうせつ)された「ふるさと納税」ですが、派手(はで)なネット広告や総務省(そうむしょう)の基準(きじゅん)を超(こ)える返礼品(へんれいひん)によって、今年6月から実施される新制度の対象から外れる(はずれる)見通し(みとおし)の自治体(じちたい)も出てきました。過度(かど)な返礼品競争が終了(しゅうりょう)するとは言え、全国に根付(ねづ)いてきた「ふるさと納税」について取り上げました。
日本語と英語で、よんでみよう!
日本の習慣を英語で紹介(しょうかい)!みんなで日本語の記事が読める「にほんごサンデー」。
今回は、ふるさと納税について、留学生のみなさんに、英語でどう説明すればわかりやすいかチャレンジしてみたよ!
日本人は寄附に興味がないと言われていたけれど、最近地方都市(ちほうとし)に寄附する人が増えているよね。
Japanese had been known as people not accustomed to things like donating or charities. However, recently, there are more and more people making donations to the local.
「ふるさと納税」のことだね。寄附の額に応じて税金が軽減(けいげん)されるので、税金の使い道(つかいみち)を自分で選べるとして人気なんだ。
That is called “hometown tax”. Since donors qualify for deductions in their taxes, they can pick any locality they like to remit their tax to it.
ふるさと納税をすると、お礼の特産品(とくさんひん)がもらえるよ。それが和牛、お酒、米、魚介類(ぎょかいるい)、高級(こうきゅう)フルーツなど、お得なものばかりなんだ。
After the “hometown tax” payment, donors can receive local specialty gifts in return. They will be a good deal such as beef, sake, rice, seafood, expensive fruits and so on.
観光施設(しせつ)の優待券(ゆうたいけん)を出している都市もあるよ。この財源(ざいげん)で観光名所(めいしょ)をつくり、優待券を持った人が訪(おとず)れるから、観光収入が大幅(おおはば)に増えた都市もあるんだって。
Some cities offer tourist-donation-coupons. The fund has contributed to building new attractions. As coupon holders visit the sites, tourist income significantly increases.
もっとくわしく!
日本の寄附事情を知るために、東京都主税局「諸外国における寄附の状況と税制の役割」から、いくつかデータをご紹介しましょう。
国際比較では、1人あたり寄附金額はアメリカが突出して高く、日本は調査対象の36カ国中29番目。日本よりも社会保険料の負担が多いドイツ、オーストラリア、イタリアなどは日本よりも寄附金額が少なくなっています。
また、日・米・英比較では日本は個人よりも法人による寄附の割合が高く、アメリカ・イギリスは個人の割合が高い傾向に。寄附先分野では日本が「文化・レクリエーション」が1位、アメリカは「宗教」、イギリスは「医学研究」が1位でした。
米・英では税制優遇が日本より進んでいるという背景もありますが、寄附の呼びかけの少なさや宗教文化の弱さといった環境要因も日本に寄附文化が根付いてこなかった理由だと言います。
今は特産品の値打ちを比較して、いかにお得な還元を受けられるかが注目されている「ふるさと納税」ですが、長い目で見ると寄附に対する習慣性が生まれる効果があるのでしょうか。