健康や美容の製品情報、生活情報などに登場する「ニオイ」の表現は、英訳にチャレンジするなら頻出です。ニオイの英単語を暗記するとき、受験英語では、悪臭=odor、中立的なニオイ=smellと覚えた人も多いかもしれません。しかし、翻訳業務ではその暗記法では通用しないケースもあります。今回はそんなニオイの表現をしっかりと覚えましょう。
クイズ!そのニオイは英語で?
まずは、次のニオイの語句を英語に訳してみましょう。それぞれsmell、odor、その他どんな表現が当てはまると思いますか?
- 汗のニオイ
- 脇のニオイ
- 頭のニオイ
- 足のニオイ
- 加齢臭
- 酒くさい口臭
- ニンニクくさい口臭
- 香水臭さ
- タバコ臭さ
- スカンクのニオイ
- 犬の体臭
- 魚のニオイ
- 牛っぽいニオイ
- 革のニオイ
- ふんのニオイ
答えをチェック(人のニオイ編)
- 汗のニオイはsweat smell
汗は身体の部位ではなく、体外に出された物質です。物質の臭いにはsmellを使います。
- 脇のニオイはarmpit odor
odorは身体の部位が発する体臭に対して使います。脇(armpit)という部位と一緒に使うのはodorです。
- 頭のニオイはscalp odor
頭のうち、ニオイを出す部位は頭皮(scalp)ですね。頭皮の体臭という意味で、scalp odorです。
- 足のニオイはfoot odor
足の体臭という意味で、foot odorです。悪臭だからodorを使うという論理ではありません。なお、臭い靴下のことはsmelly socksと表現します。
- 加齢臭はaging odor
加齢臭とは、加齢による体臭という意味ですね。そこで、体臭を表すodorを使ってaging odorとします。
- 酒くさい口臭はalcohol breath
口臭をさす場合はニオイの原因+breathを使います。アルコールが含まれる口臭という意味で、alcohol breathを使います。
- ニンニクくさい口臭はgarlic breath
口臭をさすbreathを使うパターンはほかにもあります。ニンニクくさい口臭=garlic breathのほか、コーヒーくさい口臭をcoffee breathと言ったりします。
- 香水臭さはsmell of perfume
香水は物質であって身体の部位ではありませんね。そこでsmellを使い、smell of perfumeとします。
- タバコ臭さはsmell of cigarette smoke
これもsmellを使うパターンです。ニオイを発するのはタバコそのものよりも煙なので、smokeも忘れずにつけましょう。
答えをチェック(動物のニオイ編)
- スカンクのニオイはskunk smell
スカンクが臭いのは、スカンクの体そのものではなく、スカンクが発するニオイ物質のせいですね。そこで、物質のニオイをさすsmellを使います。
- 犬の体臭はdog odor
今度は「体臭」を英語で言うため、odorを使います。
- 魚のニオイはfish odor
魚が臭いのは、魚の身が発するニオイのせいですね。そこで、odorを使ってfish odorとします。実際に魚がいない場所で、魚っぽいニオイがする場合はfishy smellとします。
- 牛っぽいニオイはsmell of cows
実際に牛が見えない場所で、牛っぽい、いわゆる獣くささがする場合はsmellを使ってsmell of cowsとします。牛の体臭について言及したい場合はcow odorとします。
- 革のニオイはsmell of leather
革製品はもはや身体の皮膚ではありませんね。物質のニオイをさすsmellを使いましょう。
- ふんのニオイはsmell of poop
これも上と同じ理屈ですね。物質のニオイをさすsmellを使いましょう。
まとめ
ニオイを英語に訳すときの考え方は、
- 物質のニオイならsmellを使う
- 体臭ならodorを使う
- ただし、口臭をさす場合はニオイの原因+breathを使う
この流れが私のおすすめです!
なお、ニオイを「ケアする」という表現は和製英語です。英訳するときは、get rid of(~を取り除く)を使うのが一般的です。