住宅大手(じゅうたくおおて)の積水(せきすい)ハウスが、東京都内(とうきょうとない)の旅館跡地(りょかんあとち)の取引(とりひき)をめぐって約55億円(ごじゅうごおくえん)の被害(ひがい)に遭(あ)ったというニュースが世間を驚かせ(おどろかせ)ました。大手(おおて)ホテルチェーンを運営(うんえい)するアパグループの不動産会社(ふどうさんがいしゃ)も、約12億円(じゅうにおくえん)をだまし取られています。今回は、このような事件の謎(なぞ)にせまってみましょう。
日本語と英語で、よんでみよう!
大企業(だいきぎょう)が土地を買うために数十億(すうじゅうおく)の大金(たいきん)を振り込んだ(ふりこんだ)ら、売り主(うりぬし)は真っ赤な偽者(にせもの)でカネは闇(やみ)に消えた…。こんな奇怪(きかい)な事件が、現代の東京(とうきょう)で起こったんだ。
The major corporation had paid billions of yen to purchase site. But the seller was a pretender, and the money disappeared into the darkness… The mysterious incident happened in modern Tokyo.
それって地面師(じめんし)の仕業(しわざ)だよね。地面師(じめんし)とは、土地の所有者(しょゆうしゃ)になりすまして、本当(ほんとう)の持ち主(もちぬし)が知らないうちに勝手(かって)に土地を転売(てんばい)してお金をだまし取る詐欺(さぎ)のことだよ。
The land fraudsters have done it, haven’t they? A land fraudster is a person who pretends to be a landowner, and sell the site without permission from the real owner to get money by deceiving people.
地面師(じめんし)は、70年前(ななじゅうねんまえ)、戦災地(せんさいち)の土地を狙(ねら)って生まれたと言われているよ。80年代(はちじゅうねんだい)のバブル景気(けいき)の頃(ころ)にも、管理(かんり)の行き届いていない土地が多く狙われた(ねらわれた)んだって。
It is said that land fraudsters who target for the war-ravaged area were born 70 years ago. Even in the bubble economy of the 1980’s, a lot of owner unknown land was targeted.
オリンピックに向けて土地取引(とりひき)が活発(かっぱつ)になったから、また東京(とうきょう)の土地が狙われる(ねらわれる)ようになったんだ。今の手口(てぐち)はより巧妙(こうみょう)で、偽(にせ)の所有者(しょゆうしゃ)だけでなくて、偽(にせ)のブローカー、仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)、不動産業者(ふどうさんぎょうしゃ)までチームになっているらしいよ。
As land transactions have become active toward to the Olympics, the land of Tokyo was targeted again. It seems like the method becomes more artful, and not only fake owners, but also fake brokers, intermediaries, and real estate agents are teaming up.
もっとくわしく!
現代の詐欺と言えば、高齢者に対して息子を装ってお金をだまし取る「振り込め詐欺」が有名です。
最近では、健康器具販売会社「ジャパンライフ」も、磁気治療器の「オーナー商法」を展開して全国から巨額の資金を集めながら経営破たんし、その勧誘手口が高齢者をだましているようだと非難を浴びました。
これらは個人を狙った手口ですが、企業を狙った詐欺はさらに大規模で、被害額が数十億円単位にもなってしまいます。
海外の詐欺集団が企業を攻撃する手口には、どのようなものがあるでしょうか?
主な事例5選をご紹介します。(JETROの注意喚起より)
- 貿易取引型詐欺
webサイトやSNSで貴社の商品を見た、知人に貴社のことを紹介された等といって商談を持ち込み、架空の手数料や税金、弁護士費用などを要求するもの。
- 投資型詐欺
海外での不動産投資や開発など、架空の投資話を持ちかけ、出資金をだまし取ろうとするもの。
- 送金先変更詐欺
取引相手のメールと非常によく似たメールアドレスから、振込先を変えて欲しいと連絡をし、取引費用をだまし取ろうとするもの。
- ビザ取得詐欺
取引を装ってコンタクトをしてきた外国人が、商談目的での渡航を申し出、ビザ取得のための推薦状を要求して日本に不正入国を図ろうとするもの。
- 電子商取引サイト詐欺
海外のECサイトから商品を購入するために送金をしてしまい、支払い後に出店者と連絡が取れなくなるというもの。
webサイトやSNS、ネットショップ、オンラインバンキング、そして外国人渡航問題―。詐欺は世相がリアルタイムに反映されるようです。