都立 第五福竜丸展示館(Daigo Fukuryu Maru Exhibition Hall)訪問レポート

「にほんごサンデー」講師が、国際理解や平和について理解を深める日帰り散歩をナビゲートします。

今回は、都立 第五福竜丸展示館(Daigo Fukuryu Maru Exhibition Hall)を訪問しました!

 

第五福竜丸展示館とは?

お台場からほど近い新木場駅から歩いて行ける「夢の島公園」は2020年に開催予定のオリンピック・パラリンピックのため、各所で工事が行われています。

 

この夢の島公園内に開設されている第五福竜丸展示館も、改修工事が完了し、2019年4月にリニューアルオープンしました。

この展示館には、木造のマグロ漁船「第五福竜丸(だいごふくりゅうまる)」が一艘丸ごと保存されており、付属品や映像、パネルなども数多く展示されています。

 

船体の展示風景はこちらです。

 

 

漁船だった様子が分かるように再現展示されています。

 

第五福竜丸事件を知ろう

第五福竜丸は和歌山県で建造された漁船で、1953年から静岡県の焼津を拠点としてマグロ漁に出ていました。

 

1954年3月1日、ビキニ環礁でアメリカ軍の水素爆弾実験により発生した多量の放射性降下物(死の灰)を浴び、23人の乗組員は急性放射能症となりました。半年後に無線長の久保山愛吉氏が死去。原水爆禁止の国民的な運動が巻き起こりました。

 

「死の灰」とは?

死の灰とは、核爆発によって飛散した、大量の放射能を含んだサンゴ礁の細かいチリのことです。

第五福竜丸展示館には死の灰が展示されています。

国民の生活に影響

第五福竜丸事件の影響は、国民生活にも深刻な影響を及ぼしました。

 

死の灰を浴びた第五福竜丸から水揚げされたマグロなどの約2トンの魚が築地に入荷。

東京都や厚生省(当時)がガイガーカウンターを使って放射能の検査を行ったところ、基準値を超える放射線が検出されました。

 

当時のガイガーカウンターがこちらです。

住民は汚染魚を、「原子マグロ」や「原爆マグロ」と呼び、市場はパニックに陥りました。

 

その当時の新聞記事のパネル展示がこちらです。

 

 

この時の汚染魚は築地場内の一角に埋められています。築地市場が豊洲に移転し、今後築地の再開発が始まるにあたって、改めて土壌汚染対策が必要になっています。

漁船という、食生活に直結する船が被害を受けただけに、あまりに影響は深刻だったのです。

 

核実験で被災したのは第五福竜丸だけではない

第五福竜丸が被ばくしたことは有名ですが、他にも多数の船が周辺海域にいたことはあまり知られていません。

第五福竜丸展示館には恐るべき被害状況が図解パネルで展示されていました。

 

イベント活発な展示館

第五福竜丸の被ばくは世界的な問題となり、国際的な核実験禁止運動の象徴となりました。

第五福竜丸展示館には、修学旅行生も多数訪れ、館内でのイベントも開催されています。

 

都内から交通アクセスがよく、公園散策も楽しめる、夢の島公園の第五福竜丸展示館。

皆さんも、学べる日帰り散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

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