whoやwhichなどの関係代名詞は前から訳したほうがいいと翻訳スクールで教わったけれど、実際にはどう訳したらいいんでしょうか?
そんな質問をいただいたことがあります。
英文は前から意味を取るようにできている、というのは受験英語やTOEIC学習でもよく教わることだと思います。
読解問題の解説で、
A laptop is a personal computer which can be carried around.
ノートPCは/パソコンである/持ち運びができる
このような「スラッシュ読み」を見かけたことがあるかもしれません。
スラッシュ読みは、前から読む習慣をつけるには大変効果的ですが、それだけでは、前から「訳している」ことにはなりませんね。
そこで、関係代名詞は前から訳すためのコツについてお話したいと思います。
まずは2文に分けて、「それは」で書き始める練習から
先ほどのノートPCの例文を改めて見てみましょう。
- A laptop is a personal computer.
- It can be carried around.
このように2文に分けられるというのは、受験英語で練習したことがあると思います。
第1段階としては、
- ノートPCは1つのパソコンです(=パソコンの一種です)。
- それは持ち運びができます。
このように2文目の主語を「それは」で書き始めてみる練習をしましょう。
ここまでできたら、次は訳文としての可読性(読みやすさ)を考えて推敲します。
「ノートPCはパソコンの一種であり、持ち運びすることができるものです。」
「ノートPCはパソコンの一種で、持ち運びできるものを言います。」
など、語尾に自然な語句を補ってあげるといいでしょう。
訳文評価をする場合、
「ノートPCとは持ち運びできるパソコンです。」
と、受験英語的に訳しても誤訳とは判定されません。
一方、あえて前から訳そうとして
「ノートPCはパソコンであり、持ち運びができる。」
のように、日本語として意味が通らなくなると、部分修正が必要として減点されることになるでしょう。
可読性がどこまで加点されるかはケースバイケースですが、評価者からコメントを返すことができる場合は、即戦力であるなどと所感を伝える場合もあります。
非制限用法は、訳す順序の違いではなかった!?
受験英語では、関係代名詞の後にコンマがつく非制限用法は前から訳し、コンマのない制限用法は後ろから訳す、と習ったかもしれません。
実はこれ、訳し方の違いではなく意味に明確な違いがあるものなんです。
次のような例文で比べてみましょう。
- I know a wholesale distributor which is located in China.(制限用法)
- I know a wholesale distributor, which is located in China.(非制限用法)
スラッシュ読み
私は/知っている/1社卸売業者を/中国にある
1つ目の制限用法の文は、話題にしているのは中国の卸売業者だけですが、ほかにも卸売業者を知っているという意味になります。
ビジネス文書を訳す場合は、他の業者も紹介できるというニュアンスを込めなければなりません。
一方、2つ目の非制限用法の文は、I know a wholesale distributor.で一度完結しています。この人が知っているのは中国の1社だけ。それでもいいでしょうか、と意向を聞きたいという意味合いになります。
前から訳すのであれば、
- 私が存じ上げている卸売業者の中には、中国の会社がございます。(制限用法)
- 卸売業者につきましては、中国の会社でしたら存じ上げております。(非制限用法)
のように訳し分ければ違いがハッキリするでしょう。
「私は卸売業者を知っていて、それは中国の会社だ」とすると、どちらにも解釈できてしまいます。
関係詞節は日本語とは語順が逆だ、というのも誤解ですが、
関係代名詞は、コンマの有無で前から訳すか後ろから訳すか決めるというのも誤解です。ですから、受験英語で習った「正解するための語順」はいったん忘れて、文法学習をやり直すと翻訳力アップにつながるはずです。
Whoseにピッタリ当てはまる日本語はない!?
関係代名詞を使った英文の中でも、特に訳しにくいのが所有格のwhoseです。
whoseを使った英文の例を見てみましょう。
This is an emergency relief building whose structure was made of paper.
スラッシュ読み
これは/緊急避難場所である/それの構造は/紙でできている
受験英語では、ほぼスラッシュ読み通りに、
「これは、それの構造が紙でできている緊急避難場所です」としても、得点できるでしょう。
一方、翻訳トライアルでは「それの構造が」は日本語として不自然であるため部分修正という判定になってしまうでしょう。
不自然さを補うために、
「これは緊急避難場所であり、建物の構造は紙でできています」
「これは緊急避難場所なので、構造が紙でできています」
などと、最低限の単語は補ってあげるといいでしょう。
このように、whoseにピッタリ当てはまる日本語はないので意訳に慣れることが大切です。
まとめ
まずは2文に分けて、「それは」で書き始める練習から行う
受験英語で習った「正解するための語順」はいったん忘れて再度学習する
特に、whoseにピッタリ当てはまる日本語はないので意訳に慣れること
この流れが私のおすすめです!
受験の英文和訳問題の答え方が通用しないのが、関係代名詞です。
翻訳のための練習を積んで、可読性の高い訳文をめざしましょう!
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