日本から、新たなノーベル賞(しょう)受賞者(じゅしょうしゃ)が誕生(たんじょう)!京都大学の本庶(ほんじょ)特別教授(とくべつきょうじゅ)がアメリカの研究者と共同でノーベル医学生理学賞(いがくせいりがくしょう)を受賞(じゅしょう)しました。がんに対して免疫(めんえき)が働くようにする新たな治療薬(ちりょうやく)開発に貢献(こうけん)したことが受賞(じゅしょう)の理由です。今回は、免疫(めんえき)とはどんなものか話してみましょう。
日本語と英語で、よんでみよう!
最近、疲れがなかなかとれないと感じることってない?寝つきが悪いとか、体が冷える、ストレスを抱えているなんてときは、免疫力(めんえきりょく)が落ちているサインだよ。
Recently, don’t you feel that you’re not recovering from fatigue? When you can’t fall asleep, you feel chilly, or you are under stress, it is a sign that your immune system has weakened.
「免疫(めんえき)」というのは、病原体からカラダを守る機能のことだよ。ノーベル賞(しょう)で、ガンの免疫療法(めんえきりょうほう)が注目されたけど、身近なところでも、高血圧(こうけつあつ)や糖尿病(とうにょうびょう)などの生活習慣病を予防(よぼう)してくれているんだ。
“Immunity” is the function of protecting the body from pathogens. The Nobel Prize “cancer immunotherapy” has attracted attention, but it even familiarizes with points that can help prevent lifestyle diseases, such as high blood pressure and diabetes.
昭和(しょうわ)の頃(ころ)、30年以上前からある乾布摩擦(かんぷまさつ)という風邪(かぜ)の予防法(よぼうほう)。実は鍼灸治療(しんきゅうちりょう)と同じように神経を刺激(しげき)することができて、免疫力(めんえきりょく)を高める働きがあるんだよ。
In the Showa period, there was a precautionary method called “rub-down with a dry towel” to prevent colds for over 30 years ago. Actually, there was a method that can stimulate the nerves similar to acupuncture and moxibustion treatments, that boosts your immune system.
漢方(かんぽう)などの生薬(しょうやく)には、体の免疫力(めんえきりょく)を上げる免疫(めんえき)ビタミンが多く含(ふく)まれているよ。和食メニューに多い野菜(やさい)、豆(まめ)、海藻(かいそう)、キノコなども、免疫力(めんえきりょく)を高める食材(しょくざい)なんだ。
Herbal medicine such as traditional Chinese medicine contains a large amount of immune vitamins that enhance the immunity of the body. Vegetables, beans, seaweed, mushroom, etc., that are used for Japanese menus, are foods that also boost immunity.
もっとくわしく!
がん免疫療法が脚光を浴びたことで、最近、「免疫力アップ」ブームになっています。ネットやテレビの情報にも、免疫力強化法の内容が増えているようです。
世の中にあふれる情報の中には、古くから免疫力を高めるものとして受け継がれているものもあります。
本文では乾布摩擦(rub-down with a dry towel)を取り上げましたが、ほかの風邪予防法も紹介しましょう。
まずは、世界各地で有名なものがチキンスープ(chicken soup)です。
いくつかの研究でチキンスープの効果が調査されていますが、特に有名なものは、ネブラスカ大学メディカルセンター(University of Nebraska Medical Center)が発表したものです。
被験者を血液検査したところ、チキンスープが白血球(white cell)の一種である好中球という免疫細胞の移動を抑制し、風邪と戦う身体の抵抗力を高めていることがわかりました。
また、寒さの厳しいロシアや北欧などでは、サウナに入り汗をかくことが風邪の予防に良いと考えられています。
体温が一度上がるだけで、免疫力が5~6倍高くなるというのは有名な話です。
さらに、サウナのような高温の場所では、熱刺激を受けて体内でHSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質が生まれます。これが細胞の修復を助け、細胞の再生を活性化して免疫力を高めてくれるのです。
このように、「免疫」は歴史的には古くても、常に新しい学問として、科学的にその働きが解明されているのです。